○ フラッグシップ「プジョー・クーペ」クーペと言われるクルマ。それは贅沢極まりないクルマ。
しかし、その存在感は見るもの全てを魅了します。特にアッパーミドルクラス以上のクーペにおいては、限られたエグゼクティブのみが嗜むことが出来る贅沢であると言えるのではないでしょうか?
本来、5人の乗車スペースが充分あるにもかかわらず、その殆どを乗員の2人の為だけに造り込み、そして何よりクルマの「デザインの優美さ」と「走行性の面においてのハイパフォーマンス」を与えられたクルマであると言えるからなのです。
そんなクルマ「クーペ」の定番である高級車の手法は、プジョー 406クーペ/クーペ407にも同じことが言えます。
プジョークーペのインテリアの特徴は、高級なレザーを多種多様に使いこなしラグジュアリーな雰囲気を実によく表現しています。両クーペとも基本的なデザインはベースモデルと同じですが、シート、ステアリング、ドアトリムはもちろんのこと特にクーペ407ではダッシュボード、メーターフードまで総革張り(インテグラルレザー)となっていて、ベースモデルとの印象は全く変わってしまっているプレミアム感漂うものになっているのです。
この2台のクーペのシートは、ベースモデルとのシート形状が異なるデザインをとられています。
プジョークーペ特に406クーペのシートは、エクステリア(外装)と同様にピニンファリーナがデザインし、さらに製作はレカロが担当するといった徹底ぶりなんです。それは、まるでリビングのソファーのような重厚な掛け心地の良さとスポーティーな走りにおいても充分なサポート性能をも発揮してくれるシートと言えるでしょう。まさにプレミアムクーペに相応しい仕上がりであると思います。
一方クーペ407はというと、やや硬い感じがする座面のシート、そしてシートデザイン。その点においては残念ながら、若干406クーペに軍配があがると思っています。しかし、あくまで406クーペと比べて!という“フレンチ流シートへのコダワリ”の話しである事をご理解していただきたいと思います。しかしながらクーペ407は、細部に至る造り込みの丁寧さ、インテグラルレザーを施したゴージャスさと機能性においては406クーペを凌ぐものだと言えるのです。その全てにおいてクーペ407が406クーペより新しいのです。
さて、この2台のクーペ。実際に目の前で眺めていて感じることは、いずれも個性的であるということです。そして、いずれ劣らぬ魅力的なクーペであることは間違いの無いものであると考えます。406クーペの走りはというと、確かに現代のクーペと比べるのはさすがに無理があるので仕方がないことでしょう。それは時代の進歩を考えるとどうしようも出来ない現実なんですから。
しかし、406クーペの魅力に関しては現在において、全く色褪せを感じさせません。「世界で最も美しいCoupé!」と言わしめたこの406クーペ。そのスタイリングは現在でもエレガントで、美しい!「完成されたデザインは時を越える」ということを実証してくれています。このクルマはどんなに時代が流れようともクーペというクルマのの芸術品として扱われるんでしょうね。
クーペ407は、そのデザインには406クーペにはない“ 躍動感 ”があります。その躍動感がクーペ407の最大の特徴と言えるのではないでしょうか。引き締まったボディー、たくましい足腰。まさに牙をむくライオンと化したクーペモデルであるといえると思います。そのダイナミックなデザインの「クーペ407」こそが21世紀のプジョーが突き進む新しいスタイルを表現しているように見えてくるのは私だけなのでしょうか。。。
クーペと言う選択。それは、自分自身のプレミアムの選択。
私自身、そんな気がしてなりません。