スタイリング、動力性能などを個人的に思うことをご紹介してみたが、今回は、安全性などの装備について紹介してみようと思う。
◎ Peugeot RCZの『プラットフォーム2』
まず、RCZのプラットフォームは、308でお馴染のPSAが投入したCセグメント用である通称『プラットフォーム2』と言われるものである。このプラットフォーム2には、308や3008で使う2610mmの標準ホイールベースの他に、308SWで使う2710mmや5008で使う2727mmというものもある。まあ、標準仕様(2610mm)の延長版というものなのだが。。。
そこでRCZが採用している『プラットフォーム2』はどれかというと、308、3008で使用している標準タイプのものである。しかしながら、トレッドはフロントで55mm、リア95mmも広くなっている。これは、ロー&ワイドのボディーデザインを強調し、よりスポーツカーらしい走りとする為であることは容易に想像がつく。また、前面衝突に備える3系統のタテ方向のメンバー、側面衝突に備えるフットウエル部の横方向のメンバー等、当然ながらPSA最新の技術が投入されている。また、ユーロNCAPにおいても当然ながら5星を獲得している。
このプラットフォーム2は、車体生産においてのみソショー(フランス)工場で生産しているが、それ以降の作業においてはグラーツ工場(オーストリア:マグナ・シュタイア社)で行われているそうだ。これもまた面白い。
サスペンションは?というと、フロント:マクファーソン・ストラット、リア:トーション・ビームを採用しているが、そのサスペンション事態が308の流用かと思いきや、それだけではなく、RCZ専用に強化を行っている。たとえば、ローダウンし強化型ダンパーを組み合わせ、より細かくRCZらしい乗り味を演出しているのだ。そのようなセッティングのお陰で、RCZの乗り味はまさにスポーツカーと言ったものになっていると言えるだろう。
ユーロNCAP5星を獲得しているRCZだが、プラットフォーム2は、もともとエンジンルーム株の上下2段のメンバーとAピラー根元からフロントに伸びるメンバーの3系統により、衝突した際の衝撃を効果的に吸収するように設計されている。また、4エアバッグなども標準装備だが、このRCZ特有の安全に関する標準装備として、アクティブ・ボンネットと呼ばれるものがある。これは、歩行者と衝突した際に、フロントボンネットがグッと持ち上がり、エンジンとボンネットの隙間を空けることにより歩行者がエンジンにぶつかることを防ごうというものである。RCZは、ABSやESPなどの様々な安全装備も標準とされてて、いろいろなクルマにおきうる衝突に対しての対策にも抜かりがない。
3回に分けてご紹介してきた「RCZ」であるが、恐らくこのクルマはプジョーの歴史の中でも、強く後世に伝えられていくスポーツカーであると考える。そのスタイリングは時代を超え、美しく輝ける光を放っているのは間違いないのだから。。。