日本でプジョーの猫足のイメージを確立したとも言われる504シリーズ。傑作といわれる中型車504魅力は、どこにあるのでしょう。
実は私自身、次のモデルである505GTiを所有して乗っていましたが、Peugeot 504 はプジョー博物館で見たことしかありません。その時の外観だけでいえば、プジョーが初めてつり目になった車という印象を強く持ったことを思い出します。504が発売された時(1968年)は、尻窄みのトランクデザインが新鮮だったと言われていました。もちろん、このデザインは賛否両論の話が飛び交うこととなったそうです。それだけ、この504のデザインは斬新で新鮮なデザインだったと言えるのでしょうね。
ちなみに当時の日本車をご紹介するとするならば、トヨタのカローラ1100デラックスが発売されたのが1966年。同じくカローラ・スプリンターSLが1968年。日産のサニー1000が1966年発売とすると、この年代の日本車のデザインをみてもいかに新しいデザインであったかが容易に推察できます。現在においても、ピニンファリーナデザインと言うものは、時代を超えても輝きを無くさないものである!と思うのは言い過ぎではないと思いますが皆さんはいかがでしょうか?
さて、504の乗り心地は?と言うと、この車に乗っていたという人の話を伺ったことがあります。その方の受け売りで話をさせてもらうと、猫足と言われるサスペンションのいなし方やハンドルを切る楽しさ、プジョーならではの絶妙なシートなど、フランス車を語る上ではこれ以上はない教科書的な車だったそうです。
う~ん!乗ってみたい!!ホント!そう思いますね。
Peugeot 504
プジョー504は、プジョーがその名を世界に広めたクルマと言えます。それは、504は今までの中でプジョーが海外に輸出したクルマではダントツの台数を誇っています。
504は、1968年に発売。生産期間は、デビューから21年間も作られ、3,382,860台と言われているのですが、調べてみると実際はなんと!2004年の年産1,800台が最終だったのです。これは、デビューから36年間も生産されていた事になってしまいますね。
この504のデザインは、皆さんご存知のピニン・ファリーナのモデルです。ボディーサイズは、標準のベルリーヌでホイールベース2740mm。全長4490mm×全幅1690mm×全高1460mmで、車両重量は1200kg。後輪が独立懸架であり、RWDでは初めての採用でした。フロントは、コイルを使ったマクファーソン・ストラットで、ダンパーは当然自社製のもので、パワーユニットは、直列4気筒OHVで1796cc。最高出力は79HP/5500rpm、最大トルクは13.7kg-m/2500rpmを発生し、最高速度は156km/hをマークしていました。また、フェンダーより低い位置にボンネットフードがあるため、45°スラントさせて搭載。当初はトランスミッションは4速M/Tのみの設定でしたが、翌年になるとZF製3ATも追加されました。'69年にベルリーヌに続きカブリオレ(B02)とクーペ(504C02)を発売。'70年にはインジェクション仕様(94HP/5500rpm,14.3kg-m/3000rpm)を登場させています。さらに、'70年にはアメリカへの輸出用のベルリーヌ504A91とA/T車504A93を追加しています。このアメリカ仕様車は、ヘッドランプが丸型の4灯になっていたそうです。
そして、マイナーチェンジなどにより、ベルリーヌGLはエンジンの排気量1971ccへとアップし、90HP/5200rpm最高速162kmとなっています。さらにベルリーヌにディーゼルエンジン(2112cc)の4気筒が追加(504A20)しています。'71年にはブレーク(504D)を追加し、救急車、タクシーなどさまざまな504が1985年まで生産が続けられています。(今回は、細かくご説明は省かさせて頂きます)
当時、日本に輸入された504は、西武自動車('79~'82年)が輸入していました。ディーゼル車(2304cc)が大部分でしたが、僅かにガソリン車も輸入されています。リアサスペンションはベルリーヌLと同じ独立懸架からリジッド・アクスルに変更されていました。イギリス仕様がベースの為、当時としては珍しく「右ハンドル」となっています。その時の日本での販売台数は366台だそうで、日本では、希少車となっています。