Peugeot 403Peugeot 203 の販売の真っ只中に発売された403は、203の車格を一クラス上の後継車として誕生しました。403のホイールベースは2660mmで、203より80mm延長されていました。全長4470mm×全幅1670mm×全高1510mm、車両重量1025kgでした。
サイズとしては、203に比べてみるとややワイドになった?と言うぐらいでしょうか。しかし、もちろん室内は、格段に広くなっていました。203からおおくのものを受け継ぎましたが、ボディースタイルが一変しました。203よりスッキリしたデザインで、フェンダーはボディーと一体化、リアは、ノッチバックに変更されています。イタリアのカーデザイナーの巨匠、「ピニンファリーナ」のプジョー初のデザインの誕生でした。それ以後、プジョーは、ほとんどのモデルをピニンファリーナにゆだねることとなりました。造形面において403は、エポック・メイキングなプジョーと言えるでしょう。また、フロントドアが後ろヒンジから、前ヒンジへとなりました。構造は、203と同じモノコック構造でした。
サスペンションは、フロント:横置きリーフの独立懸架を採用。リアは、コイルを用いたトルク・チューブ・ドライブ方式はそのままでしたが、ダイアゴナル・リンクが太くなり、ダンパーのマウントを変更しました。パワー・ユニットは、1468ccの4気筒で、最高出力58HP/4900rpm・最大トルク10.3kg-2500rpm。最高速度は135km/hを記録、ギアボックスは4MTでした。
403にも豊富なバリエーションを取りそろえていました。発売当初は、ベルリーヌ(5/6人乗)のみでサンルーフ有りか無しぐらいしか選べなかったそうです。しかし、発売の翌年、2ドアのカブリオ(403C)が追加。そして、ワゴンボディー/8人乗りのリムジン・ファミリアールも発売されました。この403カブリオレは、コロンボ警部が愛車としていた車としても有名になりました。そして、'58年には4段セミオートマティックを装備した(403J,403CJ)が追加。翌年9月には、最高出力48HP、1816cc,直列4気筒OHVで、プジョー初のディーゼルエンジン(403D)を搭載した車が現れました。カブリオレに続きクーペも導入されました。'60年に対米輸出仕様車403USA・ベルリーヌ、203の後継車、小型の403/7(7は課税馬力7CV)を追加。同'60年403シリーズは、ギアボックスを変更、403Bシリーズとなりました。'60年に404が登場しましたが、403は、その後、実に6年間('66年まで)にも渡り生産されていたんです。当時の人気の高さでしょうか。そして、403の生産台数は、1,214,126台にも及んだそうです。