そば屋さんで多い名前が「○○庵」というふうに「庵」というものがついたお店の名前を決行見かけます。また、ラーメン屋さんでは「○○軒」という風に「軒」という名前がついたお店を見かけます。
確かに、庵といえば、おそば屋さんのような和風のお店をイメージします。そして、軒といえばラーメン屋さんのような中華料理店をイメージしてしまいます。
ということで今日は、『なぜ?そば屋さんは「庵」で、ラーメン屋さんは「軒」を使うのか?』を今日は調べてみることにしました。
◎ おそば屋さんが「庵」を使われている理由
「庵」という名前のつくお店のルーツは、江戸時代に浅草に「道光庵」という*庵(いおり)があり、その庵主が檀家の人たちに手打ちそばをふるまっていたそうです。やがて、そばが大好評で評判となり、道光庵は小さなお寺というより、そば屋さんのようになってしまったそうでなんですね。その人気ぶりは本職のそば屋を凌ぐほど。。。その道光庵にあやかろうとして、「庵」をつけるそば屋さんの屋号をつけ始めたという話がありました。また、道光庵という名前がそば屋としてのみ名前が有名になるのを嫌った本寺が道光庵にそば作りを禁止することになってしまいました。。しかし、「庵」という名前だけが残り、現代まで使われているという話がありました。。。
*庵(いおり)とは?
お寺(寺院)のような規模ではなく、僧侶や尼僧が仏を安置する小さい建物のこと。その庵の主は住職と呼ぶのではなく、庵主(あんじゅ)と呼んでいます。特に尼僧を指すことが多いようです。◎ ラーメン屋さんに「軒」がよく使われている理由
長崎の中華料理屋さんではよく「◎◎楼」とか「◎◎園」とかがよく使われています。これは、中国や台湾の中華料理レストランにおいてよく使われているので、長崎の中華街ではごく当たり前!ってことになるのですが。。。
しかし、よく考えてみると日本国内のラーメン屋さんでは「◎◎軒」がついています。また、中華料理店の名前もついていたりします。
その訳としては、日本で初めて一般大衆向けにラーメンやワンタンなどの中華料理を出したお店の名前が、東京・浅草の「来々軒」だったのです。(明治43年:1910年)
今までにも中華料理店はたくさんそんざいしていたのですが、大衆にこれほど人気が出たお店は「来々軒」が初めてだったということで、そのお店にあやかろうと「軒」をつけるお店が増えたのだそうです。
この2つのルーツを考えると、庵と軒がついている理由としては、『お互いに繁盛したお店のあやかりを狙ったもので、大繁盛したそば屋さんの名前に「庵」がついていて、ラーメン屋さんには「軒」がついていたから』ということになりますね。