北極星というと、北の方角を指し示す目印として、古代から航海での目印とされてきました。現在でも、天体観測において、アンカーポイントとしても貴重な存在ともいえます。
で?この北極星という星は、何という星なんでしょうか?
ちょっと詳しい方ならばご存じだと思いますが、こぐま座の「ポラリス」という星のことなんです。実際には、ビタッと止まっているかのように見えますが、直径約2度の範囲で円を描いて動いているのだそうです。
では、「北極星は、一つだけではなかった!」と言ったらいかがでしょうか?まあ、「北極星が入れ替わった!」と言った方が正確なのかもしれません。もちろん、かなり長い時間を経て!ってことなんですが。。。(笑)
北極星が入れ替わる原因としては、地球の自転に原因があります。地球は約23.4℃傾いてゆっくりと西向きに動いています。これを「歳差運動」と呼んでいます。この「歳差運動」を説明する時は、昔、縁日なんかで見かけたあの「地球ゴマ(宇宙ゴマ)」で説明されることが多いようです。
この地球ゴマ。コマの内側の円盤を回転(これを自転と見立てます)させると、この回転する物の運動の法則により、反対回りにコマの軸がゆっくりと首を振り始めるのをご存じでしょうか?
まさに、このコマと同じようなことが地球でも起きているそうなんですね。ですから、地球も北となる方向がぐるぐる回っているということになるようです。
その地球の歳差運動の周期は約25,800年と言われ、その歳差運動によって、自転軸がずれていくので、北となる方向が変わるということになり、そこで、北極星となる星が変わってしまうという訳なのです。さらに、太陽も固有運動をしています。その為、同じ星がまた再び北極星になるということはないそうなんですね。
ちなみに、紀元前12,500年頃の北極星は、こと座の「ベガ」だったそうで、紀元前2,800年頃は、りゅう座の「トゥバン」。そして、紀元前1,100年頃は、こぐま座の「コカブ」が北極星と呼ばれる星だったことになると言われています。さらに、これからずっと先の西暦4,100年頃においては、ケフェウス座の「エライ」という星が北極星になるそうなんですね。宇宙のことを考えると、宇宙空間の長い歴史において、私たちの一生なんて瞬きもない歴史であるということをいつも感じてしまう今日この頃です。