笑うといっても、ホント!いろいろな笑い方がありますよね。バカ笑い、微笑、ほほ笑む。。。
その中で、「ほくそ笑む」というのがありますよね。何やら独特な言葉の響きを感じる笑い方です。では、一体、どんな笑い方なんでしょうか?
この笑い方は、決して大袈裟に笑う笑い方ではなく、どちらかというと控えめに自信があるよな笑い方や大胆不敵な笑い方、見方によってはすべてを見通したようなおおらかな笑い方にも見えたりする。まあ、おおかたこんな感じの笑い方ではないでしょうかねぇ~。
「ほくそえむ」という言葉を分解すると、「ほくそ」と「えむ」との組み合わせであるのではないか?という予測が誰でも簡単にできますよね。では、その「ほくそ」というのは、いったい何のことなんでしょうか?
今回は「ほくそえむ」という笑い方の意味をご紹介してみようと思います。
◎「ほくそえむ」の語源とは?
この笑い方は、「ほくそ」と「えむ」という2つに分けることができます。そして、「ほくそ」と言うのは実は地名なんだそうで、その昔、中国北部の国境近くに北叟(ほくそ)という砦があったそうなんですね。まさに、「ほくそ」というのはその地名である北叟からきているようです。さらに!その北叟に住んでいた塞翁(さいおう)という老人がこの「ほくそえむ」に関係があるようなのです。
塞翁は、現代でも広く「塞翁が馬」という故事で知られているようです。
(ちなみに私は知りませんでした。)
*「塞翁が馬」
その「塞翁が馬」というのは、「人間の運命など誰にも解らない。ちょっとしたことで運がよくなったり悪くなったり、幸福になったり不幸が訪れたりするものだ」という人生の変わりやすさを意味している言葉なんだそうです。
塞翁の言葉通り、自分の馬が逃げる、その馬が戻ってくるといったいろいろな事が起こった時にでも慌てず騒がずいつも少しだけの笑顔を浮かべていたんだそうです。この北叟という地名とこの塞翁の笑顔こそが「ほくそえむ」という言葉になったそうなんです。何が起こっても動じることなく、全てを受け止めて控えめにほほ笑む。まさに、これこそがほくそ笑むって笑い方の原点なんですね。
また、このほくそ笑むというのは、鎌倉時代以前から日本で使われている言葉なんだそうです。似たような感じの「うすら笑い」とはちょっと笑うタイプも違うようですねぇ~。