「個性」とはいったい何なんでしょう?「野生」とはいったい何なんでしょう?
仕事場で個性を大切に!なんて言葉もよく聞こえてきます。しかし、個性と野生の違いをはっきり認識している方はどれくらいいるのでしょうか?
今回の思考の自主トレ!シリーズでは、「個性と野生の違い」を取り上げてみようと思います。
思考の自主トレ的「個性」とは一体何なんでしょうか?
皆と違うことやることが個性的と言うことなんでしょうか?学校でも最近は、個性的な所を評価して!なんて言っていますが、実際の所は横並びな指導じゃないのでしょうかねぇ~。そう考えると、いろいろと疑問が浮かんできます。
またその他には、ひとつのゲームがヒットすると、誰もがそのゲームに興味を持ってみんな始めたりしますよね。さらに、一人が髪の毛を染めたりすると、周りの人たちも髪を染めだしたりします。これは、みんな同じでないと、仲間外れみたいな気がして「ダサイ」なんて思われたりするのが気になるからなのです。ですから、いろんなブームに乗り遅れないように必死に?皆と同じようなことをしようとするそうなんですね。果たしてそれは「個性」と言えるのでしょうか?
「野生」とは一体何なんでしょうか?
野生と言われる人は、自然のままで粗野で、本能のままで動く社会的矯正がなされていないというイメージなんだそうです。要するに回りの事を考えないで好き勝手にする人!ってことですかねぇ~。
現在では「個性的」という教育が求められているそうですが、この個性的と野生的の本質の違いが解らず混同している教育者も多いとのことなんだそうです。
例えば、幼稚園では個性を育てるという理由で、子供がやりたい事を自由にさせる方法を取っている所もあるようで、「何をしなさい!」と先生たちも言わないかわりに、「何をしても怒らない!」というやり方みたいです。これでは、単にわがままな子供になってしまうだけだと思いますが。。。皆さんはいかがでしょうか?
これは、人間社会や共同生活における「理性」が失われ、個性を育てるというよりは、野生を育てていると考える方が良いのかもしれませんね。社会のルールを守るという理性を失った「野生」というものは「個性」とはかけ離れたものと言えると思います。
学校で問題となっている「授業中に子供が歩きまわる」「私語が多く授業にならない」とかは、野生を伸ばしすぎた結果である!なんてことも言われているのです。これには私も同感ですね。
要するに纏めて簡単に言うと、「個性とは、常に理性が伴って初めて言えるものであり、理性が伴っていなければ、単なるわがままである。それが「野生」ということ」となりますよね。
ですから、社会のルールや社会的秩序を守る理性を持った上で一人一人の考え方の違い、得意分野の違いを活かすのが個性と言うことになります。
会社でこんな社員がいたらどうでしょうか?
aさん:「私がやります。しかし、私のアイデアを入れてやってもいいですか?」
bさん:「いやです。やりたくないんです。なんで僕がやらなくちゃいけないんですか?気分が乗らないので、今日は定時で帰ります!」
aさんが「理性」、bさんが「野生」と言える答え方ですね。
個性と野生。。。似て非なり。。。
*参考文献:PHP文庫「戦略思考トレーニング」西村克己著