車とタイヤは切っても切れない関係です。
車の歴史は、タイヤの進化と共に進化してきたと言っても良いのかもしれません。
今回は、タイヤの歴史をご紹介しようと思います。
○ タイヤの起源は?
タイヤの起源というと、まず、車輪なるものがいつ頃から使われだしたのかが問題となります。
しかし、実は『ハッキリしていない!』というのです。BC3000年頃前の遺跡の壁画に、車輪の付いたソリのような絵が描かれており、BC2600年頃の王族の墓から四輪馬車も描かれているそうです。
と言う事は、どうやら、メソポタミア文明時代から存在していたということになりますねぇ~。当然、木製の車輪であり、半円の木をつなぎ合わせた樽のふたのような形だったのです。その後、その外輪の表面にに動物の皮を被せて、銅の釘を打ちこんだものも表れています。
そして、ローマ時代(約2000年ぐらい前)から、木の車輪の周りに鉄の輪っかを焼き嵌めた車輪へと変化しているそうです。しかし、その車輪は、驚くことに現在からほんの百数十年前まで、ほとんど姿を変えることなく使われていたんですね。
○ タイヤの進化
車輪が大きく変わったのは、1800年代に入ってからのこと。それには、ゴムの発見が大きくかかわっているそうです。このゴムを発見したのは、イタリアの探検家である『コロンブス』。
このゴムの発見は、長年姿を変えること無く使われていた「車輪」が「タイヤ」へと変わる歴史的な発見だったのです。(ゴムはそれだけではありませんが・・・笑)
1845年にイギリスのR.W.トムソンが、空気入り「タイヤ」を発明し、特許を申請しています。しかし、この空気入りタイヤは、残念ながら実用化されることがなかったそうなんですね。そして、1867年にタイヤにゴムを使った車輪が登場してきます。やはり車輪の外周にゴムの輪を取り付けたものだったそうです。
1888年、イギリスのJ.B.ダンロップが、空気入りタイヤを自転車用として考案しています。それが、自動車にとって初めて実用化されことになります。1895年、フランスのミシュラン兄弟が、世界初の空気入りタイヤを付けた自動車耐久レース「パリ ~ ボルドー往復」に出場しています。しかし、優勝者の平均速度の2倍の速さを記録しながらも度々のパンクに見舞われ、タイムオーバーで失格となってしまったそうです。しかし、この実績が認められ、翌年のパリ~マルセイユ間往復レースにおいては、ほとんどの車が、この空気入りタイヤを装着して出走したとの事。そして、1900年代は、ほとんどの自動車が空気入りタイヤを装着し、一般に普及し始めました。
そして、より耐久性が高く、寿命が長いことが求めらるようになり、タイヤに対する研究と技術の改善が盛んに図られるようになったそうです。
1912年に、ゴムの添加剤として「カーボンブラック」を使用するようになりました。(この時にタイヤの色が黒色となったそうです。以前は、白もしくは飴色)
1920年には『タイヤ』の骨格部分であるカーカスに「すだれ織コード」するようになり、布の繊維同士の摩擦を抑え、コードとコードの間に薄いゴム層を挟むことで耐久性は大幅に向上したそうです。
この様にして、ゴムの強度や磨耗が改善されることになり、飛躍的に寿命が長くなりました。
1937年にタイヤコードにエジプト綿から、レーヨンを使用するようになります。1942年には、ナイロンへ。
そして1962年には、ポリエステルが使われるようになり、強度・性能のさらなる向上が図られています。
1947年に、アメリカのB.F.グッドリッチ社がチューブレスタイヤを発表!翌年1948年には、フランスのミシュラン社がラジアルタイヤを発表と、現在に至るまでさまざまな進化を遂げています。現在では、環境に配慮した高性能タイヤが求められ日々研究がなされています。
最近では、ランフラットタイヤというパンクしても低速ならばしばらくはそのまま走ることが出来るタイヤ(実際、女性の方がパンクに気づかず・・・って問題もありますが。。)なども発売されていますよね。
進化するタイヤ。その進化がクルマの登場により百数年間で、いきなり進化したとはこれも驚きですよね。