長崎と言ったら、釣りを趣味としている方もたくさんいらっしゃいますよね。
釣りと言っても川釣りや池などから、本格的な磯釣り、ファミリーな防波堤釣りなどいろいろ対象魚や目的によってスタイルもさまざまです。
今回の【その時の判断】は、特に海釣りで、「防波堤や磯からもし誤って転落してしまったらどう対処すべきなのか!」を考えてみたいと思います。
海釣りの安全装備と言ったら、ライフジャケット(救命胴衣)を身に纏うのが常識と言えます。磯の瀬渡しなどでは、ライフジャケットを着ていないと船に乗せて貰えないところがほとんどですよね。しかし、防波堤では?と聞くと、殆んどの方が、ライフジャケットを身につけていません。ライフジャケット未着用者の海中転落時の生存率は50%以下であるということはご存じでしょうか?また、単独行動では20%ぐらいだそうです。ぜひともライフジャケットをご着用することをお勧めいたします。
夏から秋にかけて、日本各地の潮位は一年のうちで、一番高くなる時期でもあります。満月の日や新月の日を中心に前後数日間の満潮時の潮位が高くなります。防波堤付近は沖合からの波浪や船舶の波などが複雑に合成されていて、100~1000回に数回の割合で、1.5倍~2倍の高波が押し寄せているのです。海に背を向けず、波の音に、常に気をつけておくことも大事です。
前振りが長くなってしまいました。
いよいよ本題です。
◎防波堤などから、もし!海に落ちてしまったら!
防波堤には、「つかまる所」が無い場合が多々あります。ですので、波が穏やかで安全に上がれるところがない場合、障害物のない少し沖へと泳ぎます。慌てて岸に戻ろうとすると、波でテトラポットなどの間に押し込まれたりして大変危険です。また、泡立つ岸部は多量の気泡が入っているので、浮力が得られずに溺れる危険性があります。いったん沖に泳いで、状況を冷静に判断してから行動に移すのが重要なのです。
◎着衣は脱がないで、背浮きすることを優先します。
着衣は抵抗が強いため、泳ごうとすると体力の消耗が激しくなります。しかし、体温を温存する為にも着衣は決して脱いではいけません。また、中にたまっている空気を逃がさないようにして背浮きすることを心がけましょう。運動靴など靴自体が浮く場合は脱がないでいた方が背浮きしやすくなります。大の字になって寝そべるようにし、体の力を抜き、手足を少しだけ動かすと誰でも浮くことができます。
◎落ちた人を救う!
まず、落ちた人の浮力が確保できるように、ペットボトル(少し中身が入っていると風に負けにくい)やクーラーなど浮くものを投げ入れつかまってもらいます。そして、安全な場所へ移動してそこから上がってもらえます。沖瀬などの場合は必ず、波の来ていない裏側に回って陸に上がるようにします。烏貝やふじつぼなど危険な貝がびっしり付いていますので、波でたたきつけられたりして非常に危険です。ペットボトルの場合、釣りをしていたなら、その先の仕掛けをいれてキャップを閉めて、竿を使って投げ入れる!って方法もあります。人を釣る!ではありませんが。。。そうすると、潮の流れが速い時など、流されるのを防ぐこともできます。ちょっとしたアイデアですけれど。。。
◎救助活動をしながら119番と118番
防波堤など、上がるところが見当たらない場合は、すぐさま118番(海上保安庁への救助要請)に携帯電話で連絡します。また、119番(救急車の手配)も場合により必要です。
いずれにしろ、緊急事態を救ってくれるライフジャケット!安いもので2,000円ぐらいから売られています。釣りに行く際の必需品ですよね。これで、自分の命、家族の命が助かるとすれば、安いもんじゃありませんか?ぜひ、釣りに行く際には、着用をお勧め致します。