◎成功体験が通用しない訳
お酒が入ると過去の成功体験を繰り返し話して指導(自慢?)している上司や先輩が身近にいませんか?(後輩に言わせると、私も多分その内の一人となっているんでしょうね)一晩に何回も同じ話を繰り返し聞かされウンザリだ!と思ったことがありませんか?
しかし、意外なことにこの繰り返し聞かされる成功体験がなかなか現在に通用しないことが多いそうなんですね。成功したのはすでに過去のこと。現在では、そのやり方がそのまま通用するとは限りません。思わず、お酒に任せて、思い出話にふけって酔いしれているだけの話になってしまうのです。こう言ってしまうと、さびしい気もしますね。過去の成功体験が通用するようにする為には、成功した当時の状況が完全に再現できる場合で、自分以外の外部環境の状況も全く同じである場合の時なのです。ですから、簡単には過去の成功体験は現在に通用しないと言うことなんですね。昔は10年一昔と言っていました。しかし、現在は1年の変化が速く、1年一昔とさえ言われています。ですので、成功体験を鵜呑みにすると失敗する可能性が高いということになるのです。
しかし、否定している訳ではありません。その成功体験を現在にどう活かすか?と言うことが大切なのです。言い手側も聞き手側も。。。
その成功体験の話を聞いた時に、「なぜ成功したのか?」を上司もしくは先輩に問いただしてみましょう。その原因こそが大切なのです。何故かと言うと成功とは、さまざまな要因が重なり合って出来た結果なのですから。その結果に至った成功要因を解析することが大切なんですね。結果的に成功に終わったとしても、すべてが成功とは限りません。成功したものもあれば失敗したものもあります。その事を見落としてあくまでも結果である成功のところだけを強調されてしまうと、状況がちがう現在において、かえって思い込みなどにより失敗を招くことになりかねないからなのです。
大切なことは、成功体験は美化されやすいということを踏まえ、なぜ成功したのか?という要因(原因)をしっかり見定めるということなのです。失敗したときもしかりですね。ですので、上司や先輩などからこんな話が出て来た時には、「なぜ成功したのですか?なぜ失敗したのですか?」と問いただして見ましょう。そうすると、その話の内容も、自慢話の聞き手から、議論の対象となり有意義な話になるのでないでしょうか。
この記事を書いていて、自分で自分の耳が痛くなりました。以後、気をつけます。
参考文献:PHP文庫 戦略思考トレーニング