Peugeot RCZ
プジョーによる最近の新型車において数字を用いたネーミングは皆様ご存じのとおりである。
しかし、このRCZには数字が無い。なぜなのか?
RCZは、現在から約3年前の2007年フランクフルトモーターショーでコンセプトカー「308RCZ」として世間にお披露目された。そして、ほぼそのままの形を保ちつつ昨年の2009年に本国デビュー。そして、2010年に日本デビューをはたした。そのプジョーの伝統とも言うべき数字を持たない「RCZ」としてのデビューは、これまでに無い、プジョーにとっての新しい世界を表現しているのだろうか。。。
数回に分け、そんな「Peugeot RCZ」の魅力を私なりにご紹介してみようと思う。
① RCZの魅力的なスタイリング
このRCZ。一言で言ってしまうと「カッコイイ」という言葉しか出てこなかった。写真で見ていた時からある程度は理解していたのだが、308シリーズを見馴れている私たちにとっては、308CCの単なるクーペ版という感じがしていたのも事実だった。しかし、このRCZを実際に目の前にすると、私の考えは一蹴されることになった。このRCZのスタイリングには、安っぽさが全くなく、完成度が非常に高いデザインであり、クラスや価格を超えたスペシャリティーを秘めているということが一瞬にして頭の中に飛び込んできたのだ。。。
このRCZというクルマは、サイドウィンドーに添ったような形をしたアルミナルアーチと呼ばれるデザインとルーフからリアウィンドーにかけてのダブルバブルルーフが際立った特徴でもある。そして、そこから続くリアフェンダー。そのデザインひとつひとつが一つの流れをつくりRCZのデザインを際立たせている。また、308から与えられているRCZのフロントマスクのデザインは、リアからのデザインを包み込み、まさに獅子の咆哮を轟かせているような印象さえも受けるのだ。
まさに、プジョーらしいスペシャルカーとして今後、君臨するのではないかと考えてもおかしくはないぐらいの仕上がりとなっていると言えるだろう。
② RCZの魅力的なインテリア
インテリアデザインとしては、基本的には308シリーズと同じ形をしており、シート以外はあまり変化がないように感じられる。しかし、実際にコクピットに座り、ハンドルを握ってみるとこのインテリアが308シリーズのどのグレードとも違うように感じる。
その一つの要因としては、RCZの着座位置が低くなっている(もちろん車高も低い)のが大きな理由かもしれない。また、ダッシュボードパネル中央におかれたアナログ時計もスポーツカーとしてのRCZを演出するのには充分な雰囲気を醸し出している。また、そのダッシュボードにはフェイクレザー使用とフルレザー使用の2種類があるが、どちらも視覚的効果としては抜群で、エクステリアにも引けを取らない洗練された質感に仕上がっている。
また、RCZの2座席のリアシートはエマージェンシーシートとして割り切った考え方が正しいと思うが、それを除けばプジョーらしい実用性も兼ね備えたクーペであるということが理解できるだろう。そう!2人であれば、その空間は十分なスペースを確保されているのである。
たとえば、トランクルーム。リアシートを畳んでしまうとなんと639ℓもの大容量となる積載スペースを持っている。なにも、ハンドルを握る時は、いつもギンギンに走る訳ではない。普段でも普通に使いこなせるという、日常生活においても実用性をかねているからこそ406クーペ同様、プジョーらしいスペシャリティーカーとも言えるのである。
というところで、次は動力性能はどうか?ということになる。この「RCZ」での日本での設定は、157ps/6ATと200ps/6MTの2タイプが用意されている。両方とも1.6直噴ターボエンジンである。
というところで、ATの出来は?MTの速さは。。。そんなところを次回は紹介してみようと思う。