よく車のエンジンの力を表すのに「馬力」という単位であらわされます。
この馬力という単位を使ったのは、ジェームス・ワットであるといわれています。ジェームス・ワットは蒸気機関車の発明者とされる有名な方なので、皆さんご存じですよね。
蒸気機関車を売り込む為に、蒸気機関の能力を馬の力と比べて用いたのが最初だといわれているようです。ですので、もともと馬力とは「馬の力」をもとに単位として使用したものと言えます。
しかし、ワットは、馬と機械をそのまま比べるのではなく、一般的な馬のなしうる仕事量の50%増しを1馬力と定義しています。どういった計り方をしたのかはよく解りませんが。。。
では、その時の1馬力とは一体どれくらいの仕事量だったのでしょうか?
その仕事量に関しては、面白い事に、国によって馬の働きが違ったのか、微妙にズレています。たとえば、日本の場合、フランス馬力を採用しているそうで、1馬力=75kg重・m/秒とされ、この数字の意味としては、75kbの物体を1秒間に1m動かせる力だとされています。一方、イギリスの馬力はというと、フランス馬力と比べ、微妙に数字が違い、フランス馬力の1.0014倍を1馬力としているようです。
現在の馬と比べると、現在の馬も改良を繰り返し、当時のワットの時代の馬よりも力強くなっているそうで、たとえば、現在のサラブレッドを馬力で置き換えてみると、平均約4馬力程度の能力はあるといわれています。
いずれにしても、馬力の起源は、当時の馬1頭と比べられていたということで、当時の馬1頭の1.5倍の仕事量だったようです。もともとは、蒸気機関を売る為の皆に解りやすく比べることができる単位だったんですね。