○ ラリーの王者 PEUGEOT WRC 再びの参戦!!
'94年から、F1に参戦していたプジョーなのですが、実は、ラリーにもプジョーは参戦していました。
'96年には、306Maxiを開発しています。その306Maxiは、NAエンジンでFF。F2カテゴリー用のキットカーで、ターマックを主体とするフランス選手権で大活躍を収めていました。'96-'97年の2年連続タイトルを獲得するなど、まさにプジョーらしい戦歴を残しています。
一方、WRCは、スバル・インプレッサ、三菱・ランサー、フォード・エスコートなど4WDターボモデルが凌ぎを削っていました。その中で、なんとプジョーは、NA、FFの306Maxiを投入。もちろん、この仕様では、WRCでの大苦戦は明らかでした。
そこで、プジョーは、満を持して'99年に後に圧倒的な力を誇った206WRCを投入することとなったのです。ベース車の206は、規定の4mのサイズより小さかった為、ロングバンパーを装着した206GTをリリースし、ホモロゲーションを取得しました。(日本導入50台)
この206WRCは、時代的には古い、405用のレーシング・エンジン(XU9)を搭載し、もちろん4WD。横置きエンジンにXトラック製の縦置きギアボックスを搭載するなど、レギュレーションをフルに活用した車となっています。そして、2000年。ついにWRCに本格参戦を行います。ドライバーのマーカス・グロンホルムが、スウェーディッシュ、ニュージーランド、フィンランド、オーストラリアで優勝し、ドライバーズ・タイトルを獲得。ジル・パニッツィもコルシカ、ランレモで優勝。そして、マニュファクチャラーズ・タイトルをもダブル獲得となりました。強いプジョー206WRカーの幕開けを華々しく飾っています。
翌年の'01年も、プジョーの勢いは止まらず、グロンホルムがフィンランド、オーストラリア、GBで3勝を上げ、ディディ・オリオールがカタルニア、パニッツィがサンレモで。。という具合に、プジョーは、5勝を上げ、コンストラクターズ・タイトルを手にしています。さらに、翌'02年にもグロンホルムが、スウェディッシュ、キプロス、フィンランド、ニュージーランド、オーストラリアを制し、2度目のドライバーズ・チャンピオンを獲得。パニッツィもコルシカ、カタルニア、サンレモの3勝を上げ、3年連続(14戦中8勝)という圧倒的な強さでマニュファクチャーズ部門3連覇を果たしました。
しかし、皮肉なことに、ローブの駆る同じPSAグループのシトロエン・クサラが登場し、苦戦を強いられるようになりました。その戦闘力の高さから、プジョーは、'04年より307CCベースの307WRCを投入していくことになったのです。