プジョー初のピニンファリーナデザインの403の後継モデルとして登場した「Peugeot 404」。この404は、ピニンファリーナのデザインによる専用のボディー・スタイルで、「エレガント」な雰囲気を持つ車です。
今回は、この「Peugeot 404」をご紹介します。
○ 18年間もの販売実績を誇る Peugeot 404。プジョー初のA/Tも搭載。
第二次大戦後のプジョーは、203を始め、03シリーズの成功を収めました。そして、1960年になると、生産が追いつかないぐらいに成長しています。そこで、プジョーの生まれ故郷ソショーの近くのミュールーズの近郊に新たに工場を建設しました。そして、順風満帆のプジョーが、人気03シリーズの後継モデルとして、この世に送り出したのが、次世代の04シリーズ「Peugeot 404」なのです。
その404のデザインは、403に続き、ピニンファリーナの手によって造られました。ピニンファリーナ独特のシャープで切れのあるデザインは、当時のデザインからすると、極めて先進的な斬新なデザインといえるでしょう。
ボディーサイズは、デビュー当初は、全長4420mm×全幅1620mm×全高1450mm、車両重量1070kg、4ドア5/6人乗りベルリーヌ・グラン・トゥーリズムの1種類でした。デビューした年の9月には、電磁式クラッチ(イエガー製)を装着した404J、12月にはベルリーヌ・シュペール・ルクスの404SL、電磁式クラッチを装備した404JSL、そして、対米輸出仕様車404USAが誕生しています。
エンジンは、4気筒OHV、排気量1618ccとなり、ミドル・クラスといえるもので、インテーク・マニホールドは、403とは異なり通常の方式を採用し、アルミ製となっています。さらに、フェンダーよりも低い位置にエンジンフードがあるのが特徴的で、エンジンを45°傾斜(近年のプジョーで、傾斜はよく見られる手法)させています。最高出力は 72HP、ギアは4速MT、最高速度は150km/hを記録し、サスペンションは、フロントは、403の横置リーフから、マクファーソン・ストラットとコイルを組み合わせたものを採用しています。
ヨーロッパ車で初めてプジョーは、 404 でラジアルタイヤを装着しています。その為、コンプライアンスをフロント・サスペンションに与え、リアには、トルク・チューブ形式ではありましたが、自社製のテレスコピック・ダンパーを使用しています。
1962年4月に、2+2カブリオレ404Cと4人乗りのクーペ 「404Co」を発表(ピニンファリーナデザイン)。ボディーサイズとしては、カブリオレでは全長4490mm×全幅1680mm×全高1430mm、クーペは全高1380mmとなっています。車両重量は、カブリオレ1080kg、クーペ1125kgで、クーゲルフィッシャー製の初のインジェクションを採用したモデルの404CKF/CoKF(85HP、最高速160km/h)を誕生させています。そして、9月には、ベルリーヌにもインジェクション仕様がついかされました。
その後、1963年2月にベルリーヌ・モデルでは、4気筒5ベアリング・ディーゼル・エンジン搭載の404DA(1816cc,55HP,平均燃費13,3km/ℓ)。同年7月には、同じくディーゼル・エンジン(1948cc,68HP)の404Dが追加されました。
ガソリン・エンジン車はというと、エンジン・ブロック、クランクシャフトの新設計の5ベアリング方式(最高出力は72HPのまま)へと変わっています。'65年には、キャブレターを変更し、最高出力が76HPとなり、最終的には80HPへと進化しています。1964年10月には、1468cc(403のエンジンを改良66HP)を搭載した404A8を追加。1965年11月には、3速オートマティック(ZF製)を採用した404ZFを投入しました。尚、この404ZFは、プジョー初のオートマティックの採用で、1967年には、ベルリーヌの対米輸出用モデルも設定されています。
1968年になると、Peugeot 504 が登場しました。504が登場すると、まず、404のクーペとカブリオレの生産が終了します。しかし、ベルリーヌには、新モデルを投入しています。1974年になると、対南アフリカ仕様として、504の1796ccエンジンが搭載された404AFが生産されています。
「Peugeot 404」は、1978年11月まで、18年間ものたいへん長い期間、プジョーは、生産しています。そして、生産台数としては、2,885,377台もの生産を記録しています。
404には、その他にもリムジン・ファミリアール、ブレーク、ディーゼル・エンジン搭載車、リムジン・コメルシアル、カミオネット、プラトーも設定されていました。
そして、「プジョーの傑作!504」へと時代は動いていったのです。