Peugeot Type 2 (クアドリシクル)1889年、プジョーは、トリシクル(Tricycle)いわゆるTYPE1を誕生させ、プジョーの車の歴史は、スタートします。その頃の車造りは、ワン・オフの生産で、1台づつ造っていたんです。
このモデルは、前輪1輪、後ろ2輪のいわゆる3輪車。鋼管を組み合わせたシャシーの後ろに石炭炊きの高圧ボイラーを取り付けて走る車でした。しかし、アルマン・プジョーは、次世代のエンジンは、ガソリンエンジンであるという事にいち早く、その年のパリの展覧会で目をつけていました。
そのガソリンエンジンは、工作機械メーカーのパナール・ルバッソール社が、ドイツ/ダイムラー社からパテントを買い製造したものでした。その博覧会中に、なんと、アルマン・プジョーは、同社のエミール・ルバッソールにプジョーの車体に搭載し、ガソリン自動車の提案を行っています。もちろん、この話はとんとん拍子に進み、さらにアルマンは、このパナール・ルバッソールが製造するガソリンエンジンの供給先は、プジョーのみであるという約束までも手に入れたのです。
こうして、プジョーは、ガソリンエンジンを搭載した自動車の製作に取り組むこととなりました。そして、完成したのがトリシクルと違い4輪の「クアドリシクル(Quadricycle)」正式名称「TYPE 2」なのです。2人乗りで、シャシーは、鋼管をベースとしたトリシクルと同様のもので、運転席の下にエンジンを搭載したこの車は、冷却水がチューブ内を通る方式が特徴の565ccの水冷V型2気筒、最高出力2HP/1000r.p.m。駆動は、2組のチェーンにより、後輪を動かし、最高速度は、18km/hを記録しています。ボディーサイズとしては、全長2300mm×全幅1350mm×全高1450mm。