プジョー104誕生1972年のパリ・サロンで、空白だった1シリーズに「104」として、その姿を現しました。2ボックス4ドア・ベルリーヌ・ボディーで、全長3580mm×全幅1520mm×全高1390mm、車両重量760kgと小さくて軽い車でした。プジョーは、このクラス(1000cc)の車としては、実に、べべやクアドリレット以来で、デザインは、ピニンファリーナが担当しています。FWDで、パワーユニットはというと、954cc、43HP/6000r.p.mで、キャブレターを1つ備え、この時代は、一部のスポーツモデルを除き、コラムシフトが一般的だったのに対し、4MTのフロアシフトでした。足回りは、フロント/マクファーソン・ストラット+コイルの独立懸架で、リア/トレーリング・アーム+コイルの独立懸架とし、204の形式を受け継いでいました。
104のグレードには、ベルリーヌ、クーペ、フルゴネットがありましたが、サンルーフは装備されていません。デビュー当時は、4ドアのベルリーヌのみで、全長を短縮した2ドアクーペを翌年に発売。このクーペモデルはハッチバックタイプとなっていました。
'75年になると、上級モデルとして「ZL」、さらに1124cc、64HP/6200r.p.mの「ZS」が発表されました。また、この「ZS」には、ラリーベース車として、最高速度165km/h(ベース車両155km/h)も用意されていました。1車種のみだったベルリーヌ('74年に104Lとなる)には、'74年に「GL」を追加。'76年9月に5ドアを追加した。このハッチバックのスタイルは、今後のプジョーのスモール・クラス全車のに受け継がれている。また、同時にベルリーヌには、クーペZSのエンジンをディチューン(55HP/6000r.p.m)した「GL6」とその上級モデル「SL」が追加されています。
'77年には、2シーターの「フルゴネットZA」が登場。クーペをベースとした商用タイプのモデルで、後部座席をラゲッジ・スペースとし、325kgの荷物の積載を可能としました。この「フルゴネットZA」には、954cc、43HPのエンジンを搭載(後にパワーアップしたエンジンを搭載)していました。
'78年に、クーペZSと同じエンジンをベルリーヌに搭載した「S」を追加。'79年には、1219ccの「GR」の追加とともに「S」も1360ccへと変更されています。この「S」に搭載されたエンジンは、70HP/6000r.p.mを発揮し、限定モデル「クーペZS2」では、同排気量で92HP、最高速度173km/hを記録しています。'79年、GL6の輸出向けモデルを発表。
'80年には、1.1ℓ、48HP/4800r.p.mを加え、クーペZSにも104Sの1360ccのエンジンを搭載したモデルや、ZLの仕様を変更した「ZR」や「Z」が登場しています。'81年になると、「S」「SR」「ZS」に、5MTを搭載する。クーペには、アンテナがルーフ前中央となり、その後のプジョーの各モデルへと影響を与えています。
'83年、クーペに「GR」のエンジンである1124ccを搭載し、スタイルZも加えられました。
'84年に、輸出仕様のクーペには、954ccユニットを搭載するモデルを追加し、ベルリーヌ最後のモデルとなる4ドアで104に最初にルーフアンテナが採用された、1,1ℓ、48HP、5MTの「GLS」も誕生しています。
そして、1988年に「GLS」「クーペZ」「フルゴネット」の1124ccが生産中止となり、約15年間にも及んだ104の生産は終了していきました。この約15年間の生産台数は、なんと1,624,992台にも及んだそうです。