ベーシック「プジョー」Styleプジョーのベーシックタイプは、ベースとなるハード面はコストを理由として削っていったというものではなく、上級グレードと同等のクォリティーを保っています。
また、どのグレードでもその存在には明確な意義を持たせています。あえてベーシック・プジョーを選ぶのには理由は、ハード面に対しての妥協の無さに加え、プジョーの素を楽しみ、フレンチらしさにこだわり、プジョー流のクルマに対しての味付けを知る。その為には、飾り付けによる演出がなされていないベーシック・グレードが一番であるとの確信犯的な考えが存在しているのです。
新しいベーシック・プジョー「207Style」207 1.4 Style のパワーユニットは、直列4気筒1,360DOHC、最大出力(kW/rpm):65(88ps)/5,250、最大トルク(Nm/rpm):133(13.6kg-m)/3,250。
当然207 1.6と比べるとパワーが少ないことは明らかです。ですので、走行性能だけで比べると、エンジン排気量が大きい1.6の方がゆとりがあるのは当然と言えます。
しかし、207Styleは「猫足」といわれるサスペンションとエンジンのマッチングやタイヤの設定などは、パワーが少ない分、クルマを走らせる楽しみを持った
進化した自動5速RMTを自在に操ることとあいまって、プジョーらしいしなやかな走りの楽しさを感じることができるのです。
纏めて言うと、207Styleの走りは、シャシーより速いエンジンの搭載はしないというプジョーのポリシーの基に、ドライビングする207の性能を余すところなく引き出し、シリーズ最高のしなやかさを備えたクルマであると言えるでしょう。それこそが、プジョーの素を知ることであり、それこそがドライビングプレジャーだと私は思います。また、ベーシック・プジョー/207Styleは、必要かつ十分。さらにチープでも無い。という言葉がピッタリなカジュアルフレンチ・プジョーであると言えるのではないでしょうか?
プジョーのベーシックモデルの出来は、207Styleのみならず、過去にさかのぼっても素晴らしいものがあります。しかし、私は「上級グレードがダメだ!」と言っているのではありません。プジョーは、クルマに対して考える使用用途や性格をグレードごとに明確に与えていると考えているのです。
靴に例えて言うと、ベーシックモデルは履きやすいサンダルとも言えますし、上級グレードは機能が優れたスニーカー、スポーツシューズはRCやGTiと言ったところでしょう。要は使い手側が、どのようなライフスタイルの形のクルマを求めているかによって、車種・グレードごとの演出を施していくという方法論でクルマ造りがなされているということなのです。
ベーシック・プジョーの考え方は、あれも付いてます!これも付いてます!と言う目先の事に関するスタンス・考え方は「ベーシック・プジョーの辞書」には存在価値が無いと言っても過言ではないでしょう。言い方を変えれば、「あれもこれもは本当に必要ですか?」「無くてもどうにかなる装備にお金を払っていると言う事になりませんか?」「果たして、それがスマートな考え方や購入方法なのでしょうか?」という問いかけなのです。